私がディスカウントをしない理由

ハンドメイド作家さんにありがちなのが

あり得ないくらい安い価格で売ってしまうこと。

コレね、すごーーーくよくわかります。

気持ちはすごくよくわかるんですよ。

私も、購入者としては安いほうが嬉しいですよ。

それはそうなのですが、運気的にはとってもよくない のです。

というのは、例えば10,000円で売るべきものを7,000円で売ったとしましょう。

そうすると残りの3,000円はどこに行くの?

となるわけです。

これは、購入者の〈借金〉となるわけですね。

つまり、お互いが知らぬ間に、

お客様が借金をしてしまっていることになるのです。

でも、知らないのだから、返す機会もないですよね?

借金を返さないとどうなるか…

まぁ、フツーに取り立てに来ますよね。

しかも借金を踏み倒してるわけですから、

結構な罰則モノのドロボーですよね。

でも、最終的には知らない=本人は返さずに死んでしまうわけですから、

子孫や残された関係者が支払わなきゃいけなくなりますよね。

もしくは、生まれ変わったとしたら来世の自分か?

でも、借金したこと自体を本人も知らないんだから、

誰も知りようがないのですよね。

そうなると、運氣アップとか、なかなかしづらいですよ。

借金して返さない=信用なくしてるんですから。

そもそも、本来モノに値段なんて存在しないんです。

例えば天然石は、掘り出される前は無料ですよ。

植物の種だって、出来た時は無料ですよね。

土地だってそうです。

土地なんて、そもそも地球のもので、人間のものじゃないですし。

色々な人の〈働き〉や〈時間〉を経ることで

そのことに値段がついていくのは、カタチのある話ではありません。

時間やスキルは、所有するのにお金は要求されないけれども、

お金を払ったからといって買えるものでもない。

だからこそ価値は上限なしの無限大なのですがね。

ちなみに、お金とは〈お札〉や〈コイン〉というアイテムにくっついた『概念』。

お札やコインだって、流通上便利だからそのカタチになって

取引のアイテムとして使われているだけ。

原価だけ考えたら、一万円札は約22円。

それに私たちは「これは一万円の価値がある」と

『概念』を乗せて取引をしているんですよね。

今は貨幣経済の世界なので、

その『概念』をアイテムにしたお金は必要なのですが。

というわけで、お金というのはヒトの想い=『概念』なのですから、

それが正当な価格だと思ったら喜んで支払えばいいし、

高いな…と思ったら黙って、そっと置いて立ち去ればいいのです。

それはまだあなたが持つべきものではないだけの話。

あなたの〈時間価値〉を上げるのは、あなたのシゴトで、

ちまちまお客様や自分のリスクとなりうるディスカウントをするよりも、

あなたの〈時間価値〉をお支払いされる金額に見合うくらい

上げることを考えたほうが、そして、その価値を伝えていくほうが、

お互いにとってよほど有益だと思います。

また、材料費や交通費/送料など素材調達費といった

〈数字にしやすいもの〉は経費として計上しやすいと思いますが、

試作の手間や時間、商品を作る時間、技術を習得する時間など

目に見えない部分の〈時間の価値〉がとても形上しにくいので、

勝手に相手の懐を心配して遠慮してしまうのですよね。

でも、それってお客様をその程度の人だと見積もってることになりますよ?

つまり、結果的に自分の価値も下げ、お客様の価値も下げることになります。

もしくは「コレをこんな価格で売ってるなんてヒドイ人だ!」と

言われたくないだけ。

そういうことを言う人に対しては、

「じゃあ自分で材料調達してスキルを習得して作ってみればいい」と

言えばいいと思います。

「ぼったくれ!」と言っているわけじゃありませんよ。

それはそれで今度は自分がお客様から借金することになりますからね。

結局のところ、モノひとつひとつの価格の問題ではないのですよ。

合うか合わないか、それだけの話なのです。

もしその価格にして後ろめたいと思うのなら、

自分の時間価値(スキル)を上げることを考えましょ。

つまり、自分の〈時間価値〉を上げて、

適正価格をいただくのにふさわしい自分であれ!

という話です。

セミナーや講演会だってそうでしょう?

アーティストのコンサートだってそうですよ。

扱うものが無形物でも有形物でも同じです。

勝手に「このくらいなら払えるんじゃないか?」と、

お客様を安く見積もって価格を下げるのは、

結果的に果たして誰かのためになるのでしょうか???

安くして、マネタイズのタイミングを後にずらすのなら

それはそれでちゃんと借金を回収することになるので全然いいと思いますが、

その回収計画もなしに安易なディスカウントをするのは

その業界全体をも疲弊させます。

薄利多売では人海戦術が出来る企業には勝てません。

大企業の商品がいい方はそれはそれでいいのです。

そもそもの方向性が違うのですから。

それと、もうひとつ陥りやすい落とし穴は、時間給設定が安すぎることです。

主婦の方も陥りがちかな?

多分、てづくり作家一本では生活出来ない時に、

バイトをする方は多いかと思いますが、

バイトの時間給と、スキルを持つ専門職の時間給は、全然違いますからね!

専門職の時給がどのくらいか全然想像できないよー!という方は、

求人サイトをご覧くださいな。

専門職の時間給を見て、材料を探しに行ったり、買いに行ったり、

試作を作ったり、試作を作ったけど足りなかったものを買いに行ったり、

そして試作を繰り返して、商品を作る制作時間、

そこで使うスキルを学んでいた時間や費用、

写真を撮ったり、お客様とのやりとりをする時間など

ひとつの作品を作るのにかかる時間を全部洗いだしてみて

かかった時間×専門職の時間給を計上してみたらよいかと思います。

というわけで、

適正価格をつけて、いいシゴトをした!と思えるような、

お客様にいいシゴトですね!と言っていただけるような、

そんなシゴトをしていきましょ~!

せっかく気に入って買ってくださったお客様の運気も下げ、

業界も疲弊させる安易なディスカウントは、しないほうがいいと思いますよ。

とかく日本人は出来ることが多すぎるので、

習得した〈スキル〉について安く見積もりすぎです。

その上「お金の話をするなんてはしたない」と育つので、タチが悪い。

でも、そもそもモノにも値段が存在しない上に、

お金そのものが概念にすぎず、道具でしかないのですから。

と、私も分かっていて、ここまで書いていても、

なかなか突破しにくい心理ブロックですけどね。

少しずつでもいいので突破して、廻していきましょう!

自分の商品の価格をどうしても安く設定したくなってしまう方は

まず、お支払いするのを

「あなたのイイシゴトに対してお支払います! ありがとう!」と

思いながらお支払いするクセをつけていくとイイかと。

牛・鶏・豚を買う時から始めたっていいですよ(笑)。

そうそう、買う時も

「安いから」が理由で買うのはやめたほうがいい。

見えない借金が嵩んで、お金の奴隷になるだけです。

「高い」か「安い」か、じゃないんです。

今のあなたに「合う」か「合わない」か、なのです。

で、あなたにはステキな未来があるのですから、

「これなら買える(値段だから買う)わー」ではなく、

「ちょっと高いかな?」と思うくらいの価格のもので、

「これ買って、これからコレに見合う自分になろう!」

と思えるくらいの価格のものがおススメです。

ただし、そういうものは、必ず現金で買ってくださいね。

まぁ、やはり一番大事なのは〈誰から買うか〉ってことかな(笑)。

そこはお互いイイ感じで切磋琢磨していきましょ♪